2014年10月16日木曜日


学研都市ひびきのの広い空の下で出会った少年のルーツを辿る旅。
沈みゆく夕日に照らされて浮かび上がるシルエットは、日本で最初の本格的製鐵所である「官営製鐵所」が操業時、最初に火入れをした溶鉱炉・東田第一高炉の史跡。


「僕が生まれるずっと前に天国に行ってしまったひいおじいちゃんは、戦争中、ここで働いていたんだよ」と、少年の脳波が話しかけてくる。きっと、車の中で待っている少年の母親の脳内ライブラリを閲覧中に知ったことなのだろう。


「私達は今夜にも、小倉のcafe causaで仲間たちと落ち合って、関門海峡を越えて行かなきゃいけない。お別れだよ」
少年は、聞こえているのかいないのか、ソッポを向いて空を眺めている。いや、ひょっとしたら、あのスペースシャトルに乗って、自分も仲間たちの元へ帰りたいと思っているのかもしれない。


質量の軽い私達は、風の吹くまま流されてゆく。強くなってきた北風をうまくかわしながら、私達が無事に貨物船に乗り込めるよう、祈っていてくれるかな。

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© Chie Mitsunaga(光永 知恵)


 
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