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2016年3月23日水曜日
昭和町の穴 2

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俺は昭和町を歩きながら、ずっと GR21 のことを考えた。 せっかくこいつで撮りたかったのに、電池が今もあの側溝の中にあるせいで使えない。じゃあ大通りのファミマで電池を買おう。我ながらいい考えだと感心しながら昭和町のファミマをのぞいて、俺は愕然とした。電池は単 1-4 とい...

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昭和町の穴 1

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ことの始まりは三毛猫だった。  春、夕刻、俺は近所の路地の写真撮影に出かけた。 ソニー α7r にプラナー 50mm をつけ、友人に譲り受けたフィルムカメラ・リコー GR 21 にモノクロームのトライ x を詰めて、ストラップを首にかけた。 50mm のボケ、 21...

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2014年1月6日月曜日
【foto nobel】短編連作『小倉三文オペラ』  第一話『三日月の夜に』#3

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写真 空閑 学  文 十鮃寺 多聞  一時間後、俺達は小倉駅北口のペデストリアンデッキのベンチでビールを飲んでいた。メーテルの銅像が俺たちには関心なさそうに隣に座っていた。  夜の駅はJRで帰宅するサラリーマン,高校生が足早に通り過ぎていく。下の階からは路上シンガーの...

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【foto nobel】短編連作『小倉三文オペラ』 第一話『三日月の夜に』#2

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写真 空閑 学    文  十鮃寺 多聞  狙いはオフィス街まっただ中のコンビニだった。ちょうど祝日の夜で、このコンビニはガランとしているはずなのだ。  ウメズが役割分担を再確認した。 「まずコムロは外にいて、誰かきたら『映画のロケ中です。しばらく入れません』...

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【foto nobel】短編連作『小倉三文オペラ』 第一話『三日月の夜に』#1

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写真 空閑 学   文  十鮃寺 多聞 「絶対男だ!」  俺はそう力説した。 「いやいやいや、絶対、男やないよ!」 「どうしてそう言い切れるん? ウメズはあのおっさんに聞いたんかい? だいたい,胸がないし、どう見てもおっさんだよ。すれ違った時にオヤジ臭したもん」 「...

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2013年12月27日金曜日
【foto novel】Sitting on the Fence #6

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Sitting on the Fence #6 文: 木本 和久 写真:光永 知恵  25時以降握り締め続けていた携帯電話が鳴ってからのことはよく覚えていない。ただ、朝になってもお互い、さようならを言おうとはしなかった。その中で僕は、ルミが2年前に離婚したこと、あ...

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【foto novel】Sitting on the Fence #5

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Sitting on the Fence #5 文: 木本 和久 写真:光永 知恵  その日以来、ルミから連絡はなかったし、僕はルミの連絡先を知らなかった。『ロックン・ロール会』も自然消滅した。ミックのいないローリング・ストーンズが成立しないように、ルミを失った『ロ...

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2013年12月26日木曜日
【foto novel】Sitting on the Fence #4

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Sitting on the Fence #4 文: 木本 和久 写真:光永 知恵 「ごめん、宮田くん……本当にごめんなさい。わたし、結婚するまでは、そういうのダメだって決めてるの……わぁ、すごい血……どうしよう。ごめんなさい。ティッシュ使って、いっぱい使って!」 ...

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【foto novel】Sitting on the Fence #3

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Sitting on the Fence #3 文: 木本 和久 写真:光永 知恵  ポンコツ車は、相変わらず白煙と騒音を撒き散らしながら、目的地へ向かってくれている。あと、5分くらいで到着する。少々、話を急ごう。 『ロックン・ロール会』は、それぞれが別の高校に...

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【foto novel】Sitting on the Fence #2

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Sitting on the Fence #2 文: 木本 和久 写真:光永 知恵  中学1年の夏休み、僕は、親によって進学塾に放り込まれた。父親の知り合いが始めたばかりの塾で、親同士の付き合いに僕も付き合わされたようなものだ。 「ねえ、終わったら家に遊びに来ない...

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【foto novel】Sitting on the Fence #1

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Sitting on the Fence #1 文: 木本 和久 写真:光永 知恵  破れかけたマフラーが、後方に白煙を撒き散らすのがミラー越しに見える。助手席側の足許に開いている穴から、断末魔の呻き声のような騒音が、不快な排気ガスの匂いと共に容赦なく車内に入ってく...

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2013年12月11日水曜日
【foto novel】旦過ノクターン #3

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Tanga Nocturne #3 作:木本 和久 「とても魅力的な話ですが、僕に購入する資金があると思えません。知り合いの不動産屋を紹介しましょうか? それと、出来れば僕に入居するチャンスをもらえませんか?」 「いえいえ、あそこに入居する選考は私がやっているわけでは...

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【foto novel】旦過ノクターン #2

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Tanga Nocturne #2 作:木本 和久  その場所は、あまりに有名な場所だ。小倉にある川の上に建つ集合住宅形式のアトリエだ。年に一度、入居しているアーティストの共同展があって、それに毎年行っている。行ってみて気付くのだが、年に二、三組ほどのアーティストが入れ...

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【foto novel】旦過ノクターン #1

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Tanga Nocturne #1 作:木本 和久 「ここを買いませんか? 一棟全部」  昨日、仕事の打ち合わせの後入ったホテルのバーカウンターで言われて差し出された一枚の写真。なんとも不思議な話だった。  僕は、上々の打ち合わせが終わり、なんとなくそのまま帰る気...

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