2014年1月14日火曜日


12/25(水)~1/19(日)
写真からひもとく近現代建築~「北九州のディテール展」


1月11日(土)14:00からのシンポジュームにも参加しました。
建築史家、倉方俊輔さん(大阪市立大学・准教授)の講演『北九州と近現代建築』が素晴らしかった。

冒頭に「今日の話の主旨は、古い物を大事にしようということではない」と言い切った。「持っているだけではなく、役に立たないとそれは財産ではない」と言うのです。

今あるものは財産だ!
なぜ?
 1)もうすでにある
 2)すでに馴染んでいる
 3)もはや作れない

なあんだ、当たり前のことじゃないか、と思うかもしれないが、北九州にある名建築が次々と紹介され、その建築のもの語りを聞いていくと、言葉の深い意味がわかってくる。

JR門司港駅舎、旧松本家住宅、旧百三十銀行ギャラリー、旧大阪郵船ビル、上野海運ビル、栃木ビル、旧門司三井倶楽部、JR九州本社ビル、旧門司郵便局電話課庁舎、安川電機本社、門司ゴルフ倶楽部・倶楽部ハウス小倉カンツリー倶楽部、クラブハウス北九州市立文学館などなど十九世紀から二十世紀、つまり日本の近代化の歴史が建築として残されている。

北九州というのはかなり特殊な都市(まち)だというのだ。
a)国を背負い、中央と直結した性格
b)時代の先端の波を常に受け続けてきた(いいことも悪いことも含め)
c)それぞれ近代に発展した5市が対等合併して生まれた(それぞれの物語を内包)

講演中ずっとメモを取っていた。
写真を撮るにしても、マチと建築の歴史など知らねばならないことは多いと痛感した。

下の写真はその後のパネル・ディスカッションの様子



© Junichi Nochi(野知潤一)

 
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