2014年1月27日月曜日


若松区西部・高須エリアから若戸大橋方面へと、若松区を東西に走る県道26号線沿い。
東へ数キロ車を走らせると、国道199号線に合流します。
住所で言えば、若松区小敷と塩屋の境目あたりになります。

数年前まで、この辺りには何もありませんでした。私はここ5年くらいしかこの辺りのことを知らないので、もっと以前は本当に山の中だったのではないかと思います。
流れる川は、江川。遠くに見える山は、皿倉山。
この右手のエリアでは、ここ1〜2年で急速に宅地造成が進み、もう数ヶ月もしたら、最後の里山が姿を消してしまいそうです。


家族でドライブ中、「あの山……もうすぐ無くなっちゃうんだろうね……」と呟いた私の言葉に反応して、相方が素早く路肩に車を止めてくれました。
この最後の里山の向こうには、北九州市立大学ひびきのキャンパスを中心とした学研都市ひびきのがあります。私は最近まで北九大に勤めていたのですが、4階オフィスから眺める景色は日に日に変わってゆきました。ほんのひと夏のうちに、山が一つ消えてしまったこともあります。北九大の北側には、ただ豊かな里山が見えるだけだったのに、今ではこの県道26号線を行き交う車の様子が目で確認できるようになってしまいました。


山の中にポツンと建っていた若戸病院が、突如として表舞台に引っ張り出されました。県道沿いにひっそりと営業していたとあるレストランも、近々開通する大きな道路によって、突如として表舞台に登場することとなります。
良いのか悪いのかなんて、分かりません。
ただ、モヤモヤとした気持ちがココにあります。

若松東部の山手には、主を失い朽ち果てていくばかりの廃屋が多く見られます。
そして、学研都市ひびきの北部には、新しい住宅が建ち並んでゆきます。
里山を住処としていた動植物たちの運命は如何に。
考えることは、沢山あります。


© Chie Mitsunaga(光永 知恵)


 
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