数日前に車で通りがかった時、まさに桜は満開の一番美しい時期を迎えていました。八幡図書館のデザインと桜の木々の調和がとても美しいと思いながら、先を急いでいたので写真に撮らなかったことを悔やんでいました。
北九州市が取り壊す方向で勧めていると聞いて……次の桜のシーズンは無いのかもしれないと思い、大きなカメラ2台をぶら下げて、撮影して来ました。(後で情報を確認してみたところ、来年の桜のシーズンにはまだ撤去されていない予定らしいです)
雨と強風で散ってしまってはいたものの、花もまだまだ残っていました。撮影開始時には曇天だったのですが、ふとファインダーの向こうが明るくなった瞬間があって、この光を逃すまいと夢中になってシャッターを切りました。
大切なものはフィルムで残したい……そう夫が言っていたのを思い出し、フィルムカメラも急いで構えて設定しシャッターを素早く切りました。
「壊してしまうのは一瞬でできるから、大切に生きてと彼女は泣いた」
という歌詞がありました。
文化遺産としての保存を願う私たちの気持ちとは裏腹に取り壊しへと進む八幡図書館ですが、撮り残した写真たちが将来、貴重なアーカイブとなってくれれば幸いです。
© Chie Mitsunaga(光永 知恵)