2013年10月8日火曜日


小さな頃、一番近くにあった市場が、この筑豊市場。
岩淵町(現・川淵町)の家から電車道を渡って、ゆるやかな坂を上り、左に曲がるとそこに筑豊市場があった。お使いでもよく行ったし、市場の向かいの本屋で立ち読みしてハタキで追い払われたり、14歳まではよく通ったので懐かしい。
今はうらぶれているが、当時は活気のある市場だった。先日、荒生田に母と買い物に行った帰りに立ち寄ったのだが、誘っても母は車から降りてこなかった。ぼくには三つ年下の妹がいたのだが、六歳の時に心臓の手術に失敗して亡くなった。多分その頃のつらい思い出がこの辺りにはたくさんあるのだろう。

なぜ、筑豊なのか?
別に筑豊出身者が開いた市場ということではない。
この辺りは、豊前と筑前の国境であり、だから筑豊なんだよ。

© Junichi Nochi(野知潤一)
 
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