牧山海岸のバージ
牧山海岸を歩いているとバージが係留されていた。
錆が浮いて、一見、廃船のようにも見えるが、まだ現役だろう。
バージ=艀、とは内陸水路や港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶のこと。舵は持っているが、エンジンはなく、タグボートで牽引、推進されて航行する。
昔は洞海湾にも数千隻のバージが活躍していたのだろうが、1970年代頃から衰退して減っていった。かつてはこの船尾部分に住居があり、そこで生活しながら各地を移動していたという。沖仲仕が港で活躍していた時代、戸畑や若松は活気に溢れていたのだろう。
それでもバージは今でも港湾内輸送で活躍の場を失っているわけではなく、頑張っている。洞海湾の埠頭や海岸を散策する楽しみが一つ増えた気がした。
© Junichi Nochi(野知潤一)