2015年6月14日日曜日


企救半島(北九州市門司区)の東海岸はリアス式と呼ばれる狭い湾が入り組んだギザギザの地形であり湾ごとに集落がある。
蕪島は大積の湾と喜多久の湾を分つ岬部分の先端で満潮時は海で切り離される半独立した島である。

先の大戦末期、陸軍は来るべき本土決戦に備えこの島に「四式連絡艇」と呼ばれた特攻艇を格納するための洞窟を掘った。が、終戦で部隊が配備されることはなかった。
使われることのなかった急造格納庫としての洞窟は、戦争にともなう廃墟として今も密かな人気をもちつつ、波に洗われている。

© Kouzi Uozumi(魚住 耕司)
 
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