豊前小倉
このテーマで読んだ本が、幕末、長州藩と戦った小倉藩を描いた劉寒吉『山河の賦』
ここに登場する小倉藩家老の島村志津摩
彼が気になっていた苅田二崎で最期を過ごし
その故居跡にあるヤマザクラが志津摩桜と呼ばれていると知った
ここに行こうとずっと思っていたが
ものごとにはご縁、タイミングがある
3月29日
GMTフォト北九州の仲間たちとやっとその機会を得たのだが……
志津摩桜は樹冠に数輪咲いているだけでちと早かった
それにしても堂々たる一本桜
この桜を守り、周辺を整備している方と出会った田淵力三郎さんという
定年退職した頃、私財を投じてこの桜を守ることを決めたという話に感動した
小倉藩士の末裔である西村忠さんは、格別の思いがわいてきたのだろう
いつまでも志津摩桜の側で田淵さんから話しを聞いていた
志津摩桜から眺める風景
島村志津摩が家臣たちとここで晩年を過ごしていた明治初年頃天神池の向こうに見える水田は海であったらしい
遠くの山並みには長州藩と最後の激闘を展開した峠がある
目を閉じないと見えない景色があることを知った
© Junichi Nochi(野知潤一)