苅田町に有名な一本桜である志津摩桜があります。
これは小倉藩の最後の家老であった、島村志津摩(しまむらしづま)氏が晩年を過ごした地にちなんでそう呼ばれているものです。
撮影に訪れた日、残念ながら開花はまだでした。
地元の田渕力三郎氏。
田渕氏は私財と自力を投じてこの志津摩桜を守り、公園をスコップ一本で整備してきた方です。高齢ながら目がキラキラとして、邪心のない、健気なものを感じました。
手つかずの雑木林には青鷺が巣を作っていました。
夏になれば花菖蒲が咲き、秋にはアサギマダラが飛来します。
田淵氏は池の周りに手すりを作り、花菖蒲も育てていました。
「木を植えた男」という
荒れた山に木を愚直に植え続け、豊かな森を再生した男の話がありますが、
まさにそういう人に出会った思いがしました。
© Kotaro Fujioka(藤岡 耕太郎)
© Kotaro Fujioka(藤岡 耕太郎)