幻視行〜帆柱町
母方の祖父母の家は台良町にあった。八幡駅から真っ直ぐに皿倉山の山麓へ上っていくのだが、急斜面の段々畑のようなようなところに製鉄社員の家が建てられていた。
起業祭の前日、春の町の上にある天神の老人マンションに住んでいる母のところへ行った。夕飯の買い出しをして、川畑さんのカフェで美味しいエスプレッソを頂いてから、天神町から大谷インター方面へ上り、そこから帆柱町の方を散策してみた。
確か、この辺りが台良町だったと思うのだが、と思いながら歩いていたのだが、町名は帆柱町に変更されているようだ。でも、この光景は小さな頃の記憶にある。もちろんビルや町並みは変わっているのだが、若松と洞海湾が一望できる夕映の景色。
皿倉山の山麓の急斜面に、建てられた家々。
記憶を辿りながらの散策は楽しかったが、祖父母が住んでいたところは見つけられなかった。
© Junichi Nochi(野知潤一)