何十回、いや百回を優に超えてるかもしれない、それほど何とも前を通り過ぎては「あのお店なんだろうね?」と話題にしていた場所。なのに、一度も実際に「行ってみよう!」という流れにならなかった場所。
若松区払川にひっそりと佇む、小さな仏蘭西料理店・ポシェジャルダン。
若松区を東西に走る県道26号線を通る人なら、一度は「ランチ 1000円、ディナー1000円、ステーキコース 1500円」と謳う看板を目にしたことがあるでしょう。
その日の私と夫は、息子にもらった風邪の症状が進んで、とても良いコンディションとは言えない状態でした。でも、たまのデートの日、身体に優しくて量が適度でゆっくり落ち着いて食事ができる場所が無いかな?と相談する中で、目的地として急浮上。
このレストランの立地は、数年前までは田舎道の傍らの、木々がうっそうと茂った山のふもとにポツンとある……といったイメージだったのですが、ここ最近の学研都市ひびきのの宅地造成により、背後の山々は削られ整地され、最近(2014年5月頃)になるとついに大きな幹線道路が県道26号線まで伸びてきて開通。見通しの良い立派な角地に構える料理店に様変わり。とは言っても様変わりしたのは周囲の環境だけで、このお店には何十年も昔からゆるゆると漂い続けているような心地よい時間が流れています。
窓から見える楽しげな庭の様子。童話の世界に迷い込んだみたい。
1000円のランチは、なんと前菜・サラダ・スープ・蒸し物・メイン料理・デザート・飲み物…というフルコース。しかも、こちらの食べるタイミングに合わせて絶妙に運ばれてくる料理たちは、どれも素材の味を損なわない手作りの優しいものばかり。ドレッシングも、肉料理のソースも、すべて手作り。体調が思わしくなかった私たちは、とても元気に笑顔になれました。
私たちがデザートを楽しむ頃になると、店内は満席に。
私たちが知らなかったというだけで、どうやら地元では人気店のようです。
ポシェジャルダン
北九州市若松区払川616-5(塩屋入口交差点の角)
火曜定休
© Chie Mitsunaga(光永 知恵)