皿倉山の生き字引とイヌビワ
皿倉山を六合目近くまで下ってきたところで、オジサンが休憩していた。
なかなか決まっていて、御主できるな、という風情。
近くに道標があり、花尾山への道の分岐点らしいので、ちょっと訊ねてみると、とても詳しいのだ。花尾山への道だけじゃなく、山頂から河内貯水池へ下る道がおもしろく、ちょうど河内藤園の近くに出るという。そして山麓のケーブルカー駅の近くの皿倉稲荷から登る道は季節によって、○◯が群生しているところを見ることができ、お薦めだとか。
一緒に少し下っていると、これがアケビじゃがもう花が落ちているな、と声をかけてきた。そして指さしたのがこれ。イヌビワだという。
道だけじゃく、草木にも詳しい皿倉山の生き字引でござった。
ちなみに帰ってからイヌビワを調べると、ビワに似ていて食べられるが、ビワに比べ不味であることから「イヌビワ」の名がついた。ビワはバラ科であるが、イヌビワはイチジク属でイヌビワコバチの寄生により結実するという不思議な生態らしい。
© Junichi Nochi(野知潤一)