2014年1月18日土曜日


北九州の「風俗」という記事タイトルに惹かれた人も多いだろうが、ここで言う風俗は、風習や習俗のことであり、ご期待のようなことが書いてあるのじゃない。

八幡図書館で半日を過ごしていた時に、たまたま見つけて読み耽ったのがこの二冊。
「藩政時代の北九州」は昭和44年に井筒屋百貨店で開かれた「北九州市藩政文化展」を記念して出版されたもので、その序文、「風俗のことなど―序に代えて」は劉寒吉さんによる。

ぼくの小学二年の時に5市合併で北九州市が誕生したので、学校でもその歴史については詳しく学んだとはいえ、藩政時代のことまではよく知らなかった。
今の北九州市の骨格は、豊前の企救郡と筑前の遠賀郡からできている。その辺は、知っておくべきことだろう。小倉藩と福岡藩の藩政の相違などなかなか興味深い。

左の「八幡繁盛記」というのは、この日の掘り出しものだった。明治三十四年十一月に発行されたものの復刻版だ。

沿革
工業界の覇王として一世をへい睨せる、製鉄所の勃興に伴ふて、我八幡町も一躍二躍して、刻下の殷賑を見るに至れり、然れども昔日は鶏犬声稀にして寂寥を極めたる寒村たりしは人の知る所なり、故に此地の消長盛衰に関する古来の沿革を述べ、以って読者に紹介せんとするも、旧記の存する尠きを如何せん……

という冒頭から始まって、往時の八幡の賑わいを詳述している。
図書館でおもしろそうなところをコピーして持ち帰り、読んでいるところなのです。

© Junichi Nochi(野知潤一)







 
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